メンタル改造計画

誰にも会わず、誰とも話さず、一日一日が過ぎていく。。。
ずっと独りでいることはメンタルに悪いと思う。
嫌なことを思い出し、何度も繰り返し思い出し、さらにイヤになる。
人間は社会的な生き物だというけれど、集団が苦手な性格の人は何故生き残ったのだろう。
独りが好きという人種は、とっくに滅びてもいいはずなのに。

独りがいいなら、都会の方が生きやすい。
干渉されずにすむから。
将来は孤独死かもしれないけど、せめて部屋は片づけておこう。
独り暮らしの方がよかったのかもしれない。
でも、働けなくなったから実家でニートになった。

コールセンターで働くようになって、見ず知らずの人と毎日5時間話すことになった。
話すといっても雑談でもなく自分のことでもなくスクリプト通りのご案内をするだけ。
だけど、たまにご自分の身の上話をされるお客様に当たって
「さようでございますか。」と相槌を打ちながら、一般の人々はこういう会話をするのかと
不思議に思った。

対面の接客をする仕事についたときは、できるだけお客様と仲良くなって、友達のようになって
お願いして買ってもらえるようにしろと上司に言われていた。
そんな下心ミエミエの人間と友達になるようなバカはいないと思ったが、人情のある人は
騙されると分かっていても高額な品物を買ってくれていたのかもしれない。

訪問販売のようなところもあったから、よく家に遊びにきてくれる親切な人だと
思われていたのだろうか?独り暮らしの老人を狙ったような詐欺商売は許されないと思うけど
騙された人が騙されたと思っていないというのは、よほど詐欺の腕前が良かったのだろう。

ただの注文を入力するだけでも、生身の人間と電話で直接会話をするというのは
誰とも話さないのに比べればメンタルにもいいと思う。
話す内容は決まっていて、ほとんど覚えたセリフをしゃべるだけだとしても
人間の相手ができるというだけで、いいのかもしれない。
やりたい仕事でもないしやりがいもないけどメンタルにいいのだとしたら続けてみよう。

とりあえず仕事というだけで決まった時間に起きたり、決まった時間に家を出るのだから
毎日家でゴロゴロしているよりは健康的なのかもしれない。
今更健康に気を使っても仕方がないが、通勤のために歩くだけでも運動になる。
よく朝散歩がメンタルにいいというけれど、散歩だけをわざわざしようという気力もなかった。
近所を歩くのも嫌だった。近所の人が嫌いだから。

ずっと、周りは敵だらけだという被害妄想から抜け出せなかった。
社会は危険なところ。家から一歩外に出たら自分が嫌いな人だらけで、もちろん
相手も自分のことが嫌いな人だらけなんだ。
そんな妄想の中で一日中過ごしていたら、本当に頭がおかしくなってもしょうがないよね。

何の利害関係もない人と、ただ話をするだけで、少なくともこの人は敵じゃないと
思えるようになってきた。味方でもないし友達でもないし、もう二度と話すこともない人かも
しれないけど、ただすれ違っただけの人なんだろうけども。
他人のことを気にしないようで、ものすごく気にしていた。いや、今も気にしている。
もっといい加減に生きたらいい。頑張らなくていい。

通販で買い物するのにこんなにも迷うのかと思うお客様もいた。
買うものを決めてから電話をするのが普通だと思っていた。実際は、注文しながら
やっぱりさっきのは色を変えてだとかサイズを変えてだとか言ってくる人が多い。
注文を確定してからだと変更が面倒なんだよって最初の頃は腹立たしかった。
だけど、最近はそんな注文を受けるのが何故だか楽しい。

ぐだぐだしている人間って結構いるんだ。スクリプト通りじゃなくていいんだ。
自分の電話番号を忘れたとか、郵便番号を忘れたとか、別にいいじゃないか。
もっといい加減に生きてもいいと思えるようになった。